でろーん。
「もうすぐなくなってしまうのかと思うと、目の前にあるものが何や、急に愛しうなってくる。」
とは、映画『天然コケッコー』に出てくるセリフ。東京への進学が決まった主人公の女の子が、残り少ない田舎生活を名残惜しむシーンだ。
僕も、考えればもう2週間もすれば退職し、1ヶ月で川崎での生活を終える。町での生活が終わり、生活の拠点は埼玉の山奥になる。先の少女の置かれた状況は、場所こそ違えどそっくりそのまま僕にもあてはまる。
しかし、どうもあてはまらんのです。
冒頭のセリフのような気持ちが僕にあてはまるかといえば、全然あてはまらんのです。男女の違いか、感性の違いか、街と田舎との違いか、ともかく、そんな気持ちには全然ならない。場所への恋しさみたいなのは、湧かないんだよなあ。
あ、でも人への恋しさはあるか。親しい友人や家族と離れることへのさみしさは、少しあるな。そんな感じで日々過ごしとります。