出しておくれ 出しておくれ
とにかく、今までとんでもない数の人生がある。で、みんな、僕って何者だなんだろう、あたしって何なんだっけと考える。ある人はそのことばかり長ぁく考えているし、ある人はフッと頭をかすめる程度かもしれない。で、結局みんな分からない。自分が何者なのか、考えても分からない。宗教、すなわち考えることの出来る次元に物や命に意味づけをするとか、それを信じる信じないという話じゃなくてね。ともかく、人間、ただ1人の例外もなく、自分が何者なのか分からないまま生まれ、生き、死んでいく。
寝起きの頭はイヤにすっきりして、今生きているこの瞬間が、えらく途方もないもののような、ずっと親しみのあるもののような、そんな気がして、たとえ夜中だろうと、ドライブにでも行きたくなっちまうのさ。