へいへい、アレックス
ねぇ 仲間たち ねぇ 大人たち
僕たちの誤ちを 大地は知っているよ映画『カンタ ティモール』で子供たちを率いてギターを弾いていたアレックスが、先日死んでしまったらしい。なぜ死んでしまったかは分からないけれど、とにかく死んでしまったらしい。
『カンタ・ティモール』とは東ティモールの独立に立ち向かった人びとを描いた作品。民衆を、殺戮と暴力と恐怖で縛りつけようとしたインドネシア政府に対し、反政府の人々は立ち向かう。それも、非暴力で。自分の家族や友人を殺した軍の人々を捕え、ひたすら説得する。武器も拳も使わない。ひたすら口説く。こんな信じられない方法で独立の輪を広げ、おびただしい数の犠牲者を出しながらも、遂には独立に至るのであった。
圧政の中、軍の目をかいくぐりながらギターを弾き、暗喩だらけの歌を歌い、自分たちの思想を広めていったのが、アレックスその人である。
◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯
アレックスの言葉
◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯
自分の信じるもののためになら命も捧げる。 たとえ死んでも信じ続ける。これは強い。
今日は母ちゃんの誕生日。
おめでたい一方で、またひとつ歳をとる。
アレックスは死に、僕も母もみんなも、死に一歩ずつ近づく。
おそれないでいいぜ、おそれないでいいぜ。
僕らには大地がついているぜ。
夜空の星がついてるぜ。